【薬剤師×ChatGPT】薬歴・疑義照会が劇的に楽になる!コピペで使える最強プロンプト集

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タブレットを操作する薬剤師とChatGPTのホログラムインターフェース。業務効率化をイメージしたデザイン。

「今日も薬歴が終わらない」「疑義照会の文面を考えるのに時間がかかる」「患者さんへの説明がうまく伝わらない」。

調剤薬局や病院で働く薬剤師なら、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

実は、これらの悩みはChatGPTを活用すれば解決できます。しかも「AIは難しそう」と思う必要はありません。コピペするだけで使えるプロンプト(指示文)を用意すれば、明日から業務効率は劇的に変わります。

この記事では、薬剤師業務に特化した実践的なプロンプトを5つ紹介します。薬歴作成、疑義照会、服薬指導、トレーシングレポート、論文要約。どれも現場で「すぐ使える」ことを重視して設計しました。

ただし、医療現場でAIを使う以上、守るべきルールもあります。個人情報の取り扱いや、ハルシネーション(AIの嘘)への対処法も併せて解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

読み終わる頃には「ChatGPTを使いこなせる薬剤師」への第一歩を踏み出せているはずです。

目次

なぜ今、薬剤師にChatGPTが必要なのか?

時計と笑顔で退勤する薬剤師のイラスト。残業削減と時間の余裕を表現。

「AIなんて自分には関係ない」と思っている薬剤師の方は多いかもしれません。しかし、現場の状況を冷静に見れば、AIの活用は「あると便利」ではなく「必須」になりつつあります。

1日30分の残業削減が可能

薬歴記入に費やす時間は、1処方あたり平均3〜5分と言われています。1日40枚の処方をさばけば、薬歴だけで2〜3時間を費やす計算です。

ChatGPTを使えば、メモ書きからSOAP形式への変換が数十秒で完了します。文章を「考える」時間が大幅に短縮されるため、1処方あたり1〜2分の短縮は現実的な数字です。

40処方×1.5分短縮=1日60分。月に換算すれば20時間以上の残業削減につながります。

「伝わる」文章力が手に入る

疑義照会で医師に失礼のない文面を考えるのに苦労した経験はありませんか?患者さんに副作用を説明する際、専門用語を避けてわかりやすく伝えることに悩んだことは?

ChatGPTは「言い換え」が得意です。専門的な内容を患者向けにやさしく変換したり、医師への問い合わせを丁寧語に整えたりする作業は、AIの最も得意とする領域です。

文章作成のストレスから解放されれば、本来の業務である「患者対応」や「服薬指導の質」に集中できます。

AIスキルは今後の薬剤師の必須教養になる

厚生労働省が掲げる「患者のための薬局ビジョン」では、対人業務へのシフトが求められています。対物業務(調剤・薬歴入力など)の効率化は、国の方針としても推進されています。

AIを「脅威」と捉えるか「武器」と捉えるかで、今後のキャリアは大きく変わります。ChatGPTの基本操作を覚えておくことは、薬剤師としての市場価値を高める投資と言えるでしょう。

【コピペOK】薬剤師業務ですぐ使える具体的プロンプト5選

デジタルツールボックスからプロンプトを選び出すイメージ。コピペで使える利便性を表現。

ここからは実践編です。以下のプロンプトはすべて「コピペしてそのまま使える」ように設計しています。 さくら 山田先輩、プロンプトって何ですか?難しそうで…。 山田先輩 プロンプトはChatGPTへの「指示文」のことだよ。料理のレシピみたいなもので、同じ材料(情報)でも指示の出し方で結果が変わるんだ。良いプロンプトを使えば、AI初心者でもプロ級の回答を引き出せるよ。

1. 【薬歴作成】箇条書きメモをSOAP形式に一発変換

最も使用頻度が高いプロンプトがこちらです。服薬指導中に取ったメモ書きを、SOAP形式の薬歴に変換します。

【役割】
あなたは調剤薬局の経験豊富な薬剤師です。

【タスク】
以下の服薬指導メモを、SOAP形式の薬歴に変換してください。

【出力ルール】
- S(主観的情報): 患者の発言や訴えを「」で記載
- O(客観的情報): 処方内容、検査値、アレルギー歴など
- A(評価): 薬学的な評価・判断
- P(計画): 今後の指導計画、次回確認事項
- 各項目は簡潔に2〜3行程度
- 専門用語を適切に使用

【服薬指導メモ】
(ここにメモを貼り付け)

使用例:

服薬指導メモに「70歳女性、高血圧、アムロジピン5mg、足のむくみが気になると訴え、塩分控えめにしているとのこと」と入力すると、以下のような薬歴が生成されます。

S: 「最近足がむくむようになった」「塩分は控えめにしている」

O: アムロジピン5mg 1日1回朝食後、高血圧治療中、70歳女性

A: Ca拮抗薬による末梢性浮腫の可能性あり。塩分制限は実施中だが、むくみの程度について経過観察が必要。日常生活への支障の有無を確認する。

P: 次回来局時、むくみの程度を再確認。悪化傾向があれば医師への情報提供を検討。下肢挙上などのセルフケアを指導済み。

2. 【疑義照会】失礼にならない医師への問い合わせ文面作成

疑義照会は薬剤師の重要な業務ですが、文面作成に悩む方は多いのではないでしょうか。特に忙しい医師に対して、簡潔かつ失礼のない問い合わせを行うのは難しいものです。

【役割】
あなたは病院・クリニックとの連携に長けた薬剤師です。

【タスク】
以下の情報をもとに、医師への疑義照会文を作成してください。

【出力ルール】
- 敬語を適切に使用し、簡潔にまとめる
- 結論(照会事項)を最初に記載
- 理由は医学的・薬学的根拠に基づく
- 選択肢を提案する形式で記載(代替案がある場合)
- 200字以内を目安

【照会内容】
- 患者情報: (年齢、性別、主訴など)
- 処方内容: (薬剤名、用量)
- 照会理由: (なぜ確認が必要か)

出力例:

「70歳女性、腎機能低下(eGFR 35)、メトホルミン500mg 2錠分2」という情報を入力した場合:


○○先生

お忙しいところ恐れ入ります。処方内容について確認させていただきたい点がございます。

【照会事項】
メトホルミンの用量についてご確認をお願いいたします。

【理由】
患者様のeGFRが35mL/min/1.73m²であり、添付文書上の「eGFR 30〜45では投与量の減量を検討」に該当いたします。

【提案】
250mg 2錠分2への減量、または他剤への変更をご検討いただけますでしょうか。ご指示をお待ちしております。


3. 【服薬指導】患者さんに合わせた「やさしい言い換え」

添付文書の記載をそのまま患者さんに伝えても、伝わらないことが多いですよね。このプロンプトは、専門的な情報を患者さんにわかりやすく変換してくれます。

【役割】
あなたは患者さんとのコミュニケーションが得意な薬剤師です。

【タスク】
以下の専門的な情報を、70歳の患者さんにもわかるように言い換えてください。

【出力ルール】
- 専門用語を避け、日常的な言葉で説明
- 具体的な例え話を1つ入れる
- 「なぜそうなるか」の理由を簡潔に
- 患者さんが取るべき行動を明確に

【言い換えたい情報】
(ここに専門的な記載を貼り付け)

入力例: 「本剤はCYP3A4で代謝されるため、グレープフルーツジュースとの併用により血中濃度が上昇する可能性がある」

出力例:

「この薬は、グレープフルーツジュースと一緒に飲むと効きすぎてしまうことがあります。

たとえるなら、薬を分解してくれる体内の工場の働きが邪魔されるイメージです。工場が止まると、薬が体に残りすぎてしまいます。

グレープフルーツジュースだけでなく、グレープフルーツそのものも避けていただくと安心です。オレンジジュースやりんごジュースは大丈夫ですよ」

4. 【トレーシングレポート】医師への情報提供書の作成補助

服薬情報提供書(トレーシングレポート)は、即座の疑義照会が不要な場合に医師へ情報を伝える重要なツールです。

【役割】
あなたは医師との連携を重視する薬剤師です。

【タスク】
以下の情報をもとに、服薬情報提供書(トレーシングレポート)の本文を作成してください。

【出力ルール】
- 報告事項、経緯、薬学的評価、提案の順で記載
- 客観的な事実と、薬剤師としての意見を区別する
- 医師の判断を尊重する表現を使用
- 300字以内を目安

【情報】
- 患者情報:
- 処方内容:
- 報告したい内容:

5. 【学習・情報収集】英語論文や添付文書の要約

新薬の添付文書を読み込む時間がない。英語論文の要点を素早く把握したい。そんなときに使えるプロンプトです。

【役割】
あなたは臨床薬学に精通した薬剤師です。

【タスク】
以下の文書を要約してください。

【出力ルール】
- 薬剤師が臨床現場で必要な情報を優先
- 用法用量、禁忌、相互作用、副作用の4点を必ず含む(該当する場合)
- 箇条書きで簡潔にまとめる
- 要約は500字以内

【文書】
(ここに添付文書や論文の本文を貼り付け)

便利ですよね。

ですが、便利だからこそ、守らないといけないルールがあるのです。必ず次の章もお読みになってからご利用ください。

これだけは守って!医療現場で使う際の3つの注意点

医療情報を守る盾のイラスト。セキュリティとプライバシー保護を表現。

ChatGPTは万能ではありません。特に医療現場で使用する場合、以下の3点を必ず守ってください。

個人情報は絶対に入力しない

ChatGPT(無料版・Plus版)に入力したデータは、AIの学習に使用される可能性があります。OpenAI公式によれば、設定で「Chat History & Training」をOFFにすることでオプトアウトは可能ですが、医療情報の入力は原則避けるべきです(OpenAI Enterprise Privacy)。

具体的な対策:

  • 患者氏名は「Aさん」「Bさん」に置き換える
  • 年齢は「70代」など範囲で記載
  • 病院名や薬局名は入力しない
  • 特異な疾患や処方内容は、組み合わせで個人が特定されないよう配慮

厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」でも、外部サービスを利用する際の個人情報の匿名化は求められています(厚生労働省)。

回答を鵜呑みにしない(ハルシネーション対策)

ChatGPTは「もっともらしい嘘」をつくことがあります。これをハルシネーション(幻覚)と呼びます。特に医薬品の用量や相互作用については、致命的なミスにつながりかねません。

対策のポイント:

  • 用法用量、禁忌事項はChatGPTに聞かない
  • 添付文書やPMDAなどの一次ソースで必ず裏取り
  • ChatGPTは「言語処理」(言い換え、要約、文章作成)に特化して使用

OpenAIも公式に「AIの出力には誤りが含まれる可能性がある」と認めています(GPT-4 System Card)。医療従事者として、最終確認は自分の目で行う習慣をつけましょう。

最終的な責任は必ず「薬剤師」が持つ

AIが出力した文章をそのまま使うのではなく、必ず自分の目でチェックしてから使用してください。薬歴に記載する内容、医師に送る疑義照会文、患者さんへの説明。すべての責任は薬剤師にあります。

ChatGPTは「下書きを作るアシスタント」であり、「代わりに仕事をしてくれるロボット」ではありません。この認識を持つことが、AIを安全に活用する第一歩です。

AI時代に「選ばれる薬剤師」になるために

AIと握手をする薬剤師、またはキャリアアップをイメージした上昇グラフ。

ここまで読んで「AIは便利だけど、いずれ薬剤師の仕事を奪うのでは?」と不安を感じた方もいるかもしれません。結論から言えば、AIを「敵」と捉えるか「パートナー」と捉えるかで、未来は大きく変わります。

AIは仕事を奪う敵ではなく「最強のパートナー」

ChatGPTが得意なのは、定型的な文章作成、情報の要約、言い換えといった「言語処理」です。一方で、患者さんの表情から不安を読み取る、医師との信頼関係を築く、チームの中で調整役を担う。これらの「対人スキル」はAIには代替できません。

AIに任せられる仕事は任せ、人間にしかできない仕事に集中する。これが「AI時代に選ばれる薬剤師」の働き方です。

ITリテラシーを評価してくれる職場環境の重要性

ChatGPTの活用を「ズルい」と見る職場もあれば、「積極的に使って効率化しよう」と推奨する職場もあります。どちらの環境で働くかは、あなたのキャリアに大きな影響を与えます。

先進的な職場では、AIを活用した業務効率化の提案が評価されます。ITリテラシーの高さは、管理薬剤師候補としての強みにもなります。

「今の職場ではAIの話なんてできない」と感じているなら、それは環境を変えるサインかもしれません。

あなたの市場価値、実はもっと高いかも?

「AIを使いこなせる薬剤師」は、まだ少数派です。この記事を読んでプロンプトを使いこなせるようになれば、それだけで希少な人材になれます。

転職市場では、AIやITスキルを持つ薬剤師への需要が高まっています。自分の市場価値を正しく知ることが、キャリアを考える第一歩です。

まとめ

この記事では、薬剤師業務で使えるChatGPTプロンプトを5つ紹介しました。

  1. 薬歴作成: メモ書きからSOAP形式への変換
  2. 疑義照会: 医師への丁寧な問い合わせ文面
  3. 服薬指導: 専門情報のやさしい言い換え
  4. トレーシングレポート: 情報提供書の作成補助
  5. 論文・添付文書要約: 必要な情報の抽出

同時に、医療現場でAIを使う際の3つのルールも確認しました。

  • 個人情報は絶対に入力しない
  • ハルシネーションに注意し、必ず裏取り
  • 最終責任は薬剤師が持つ

ChatGPTはあくまでツールです。使いこなせば業務は劇的に効率化されます。しかし、患者さんと向き合い、信頼関係を築くのは人間の仕事です。

AIを「最強のパートナー」として味方につけ、賢く働く薬剤師を目指しましょう。

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この記事を書いた人

薬剤師キツネのアバター 薬剤師キツネ 病院薬剤師(16年経験)&医療IT/AI戦略家
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